コロナで一年公開延期になるわ、上映している映画館まで車で行くしかないわ、1日1回夕方上映のみだわ、フラれ続けたけどようやく『はるヲうるひと』を観ることができました。
これだけ待った甲斐があって、今日から真柴得太は歴代好き山田孝之作品の四天王です。大満足。「そうそう、こういう山田孝之が観たかったんだよ…ありがとう二朗さん…」というのが率直な感想です。誰にも言えない秘密を一人で抱えてもがいて悩んで叫びたくても叫びようがない苦しみにぶつかりながら逃げるあても無く人知れず泣いて「愛」って何や！となる得太…妹を守り続けてきた得太…気づかないうちに週3で道端に魂を落としてそうな孝之…とても好きですね。孝之が得太をやっていなくても好きになっていたかもしれない映画でした。(でもまあ孝之じゃないとまずこの手のジャンルには手を出さないので矛盾しているんですが)
最初に正妻、妾、心中というかなり衝撃的な内容が出た時点で「アッ」となりました。全然関係ないけど今読んでいる漫画の推しが妾の子かつ異母兄弟だったので家族関係はすぐ頭に入ったし、一度某朝のニュースでネタバレを踏み萎えるという夢を見たんですよ。カルベさんから「心中」というオチを言われて「嘘だろおい」となる夢。(そんなことある？)
あと簡潔にネタバレするなら近親相姦と百合…血みどろの…
大人の尽きない性欲と暴力と愛と嘘の狭間でたった一人で真実を隠し通してきた真柴得太を…とりあえず温泉に入れたい。黙ってろ、誰にも言うなと言われたから今までずっと口を閉じて身を守ってきた得太があまりにも約束を破らない子供で…愛しくて…親父は得太に背負わせすぎでは？しかも生きている人間が「『愛』『まっとう』ってなんだよ！」と途方に暮れているのに、死んだ人間が一番愛を全うしていた気もして…皮肉なもんだ…
この映画を撮影していたのは確か2019年の2月くらいだったと思うんですが、自分がdele3で騒いでいた時だったと思うと本当に長かったな！？この孝之を通した真柴得太の感情に出会えてよかった〜と本気で思います。本人はもうこんな大変な役は滅多にやりたいとは言わないだろうけど、絶対に似合うのでまたやってほしい。あと演者さんみんな演技が良かったですね。仲里依紗…良…
親の呪いがかかったまま大人になった三兄妹がしんどいんだけど、周りの人のおかげで物語の空気が終始重たいわけじゃなくてクスッと笑える瞬間もいくつかあって(ミャンマー出身の薬局店員が想像の3倍良い味出してた。マジかよ) バランスがよかった…ゲロ吐くまで胸糞セッ物語だったらどうしようかと思ったけどそんなことはなかったです…個人的に女は生き辛え〜とは思ったけど。
得太と一緒に泣き疲れたし、これを書いた二朗さん何者？何を食べて生きたらこれ書けるん？ってなる。フクダ監督の「マジ二朗っ！マジ山田っ！とにかく観れっ！」というコメントに「もっと言うことあるやろ」と思ってたけど今は「せやな」と言ってしまう。観ろとゴリ押しされると観たくないと天邪鬼になるのがオタクという生き物だと思うんですが(?)大きい声では言えないけど「え〜これみんな見てほしい〜」と駄々をこねてしまうのが本音。パンフレット分厚いし、脚本全文載せてるし、メイキング付けてくれるし、この映画の福利厚生が整いすぎ。映画館に来た人に優しい。故に観る手段が限りなく少ない田舎民は泣いてしまう。行くか迷ったら行った方がいい映画です。
得太可愛い〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！！！
