あんの感想置き場

鉄は熱いうちに打て

『SEOBOK』感想 護衛×クローン

映像美と美術セットと大爆発CGで殴ってくるブロマンス映画〜!最初からブロマンスを見るつもりで見に行ったので個人的には満足です!内容はよく考えたら無茶苦茶だけど『君か、世界か─』というベタいかにもなキャッチコピーがその通りすぎて笑うしかない。この選択を迫られるシーンが一番興奮した。

国家の極秘プロジェクトで生まれた人類初のクローンであるソボク。研究所から一歩も出ることなく実験体として生きてきた青年。年齢的にはまだ10代。ソボクの研究が進めば人間はいずれ永遠の命を手にできるようになる。でもこの研究を危険視したアメリカが、ソボクを消そうと総攻撃に出ます。そこでソボクの護衛を任されたのが、元情報局員で余命わずかと言われていたギホン。ギホンはかつての上司や研究者から「ソボクの研究が成功すればお前も生き延びられる(意訳)」と半分騙されたような状態で仕事を引き受けることになります。最初こそ自分が死なないならそれでいいと思って護衛をしていたギホンですが、ソボクと過ごすうちにソボクの意思を尊重するようになって、映画はソボクを消したい勢ソボクを研究に使用したい勢ソボクをただ護りたいギホンの図へ……

ギホン!!

ソボクにはクローンゆえに人間を破壊できるとてつもない特殊能力があるんだけど、ソボクにとってギホンは、唯一人として接してくれる人だったんですよね。そんなギホンとソボクの間に特別な感情が芽生えていく過程は王道。特に外に出て人間生活初めてなソボクがとにかく可愛い。その面倒を見るギホンがお兄ちゃん、というか保護者。でもギホンも正直いつ死ぬか分からない状態なので、ソボクがギホンを護ったりもする…良い。

ソボクが自分という存在に向き合うのが悲しくて、ソボクが純粋であればあるほど人間は本当に愚か〜ってなる。ギホンも過去に訳ありで罪を抱えて生きていて、いずれ死ぬと分かっているのに生きようと必死でとっても人間…この二人が本音を見せ合った海のシーンが美しくてエモ。海って何をしてもエモくなる。

最後にもう一度『君か、世界か─』の話に戻しますが、個人的には「君」を選んだと思っています。あれは「世界」を選んだ風にも見えるけど「君」を救うための選択だと思う。どうしてもこうなる運命なのは悲しいけど「君」を救えるのは彼しかいなかったんだな……最後のシーンは二次創作で何万回も見たことある図だけどああいうのは結局何万回見てもグッとくる。