富山ロケーションオフィスの10周年イベント
脳男の上映回に行ってきました。
以下、上映後の瀧本監督によるトークのレポです。思いのほか監督の回答が充実してて尊かった。
久しぶりに富山に来るということで当時生田斗真くんから誕プレで貰った革ジャンを着てきた瀧本監督。司会者(ロケーションオフィスのOB)と「お久しぶりです」と挨拶を交わしてトーク開始。司会者曰く、脳男は爆破がかなり多い作品なのでこのロケでかなり鍛えられたらしい。瀧本監督も爆破を許可してくれる自治体が限られてくるので富山のロケーションオフィスが手を挙げてくださりありがたかったと。脳男がきっかけで「富山ロケーションオフィスやるじゃん」と色んな映画スタッフから声をかけられることが増えたそう。爆破は総合病院のシーンだけCGでそれ以外は実際の爆破らしい。凄い。頑張ったね。
司会「当時のことを思い出し、瀧本監督の『よーい、はい!』がまた聞きたいなと思いまして…お願いしてもよろしいでしょうか!」
監督「そんなの聞きたいですか?w」
司会「皆さんも聞きたいですよね?」
我々「パチパチパチパチ」
マニアック 何その要望 確かに聞きたいけど
監督「よーい、はい!派とよーい、スタート!派がいるんですけど、当時はよーい、はい!派だった気がしますね」
司会「お願いします✨」
監督「よ〜〜〜〜〜〜い、
はい!!!!!」
声がでかいでかいwwwwww 面白すぎる。deleの現場でもそんな声量なんですか?ww すだやまだがモノマネしたくなる気持ちも分かる。
監督「この自分の『よーい、はい!』で爆発が起きると、語弊があるんですけど、気持ちいいんですよね。映画監督の醍醐味ですかね」
一気に空気が和らいだところで質問へ。
司会「事前に質問を募集しておりましたので、まずはその中から一つ質問させていただきます。富山市の方です。作中で生田斗真さんが二階堂ふみさんの首を絞めるシーンがありますが、あれはどこまで本気だったのでしょうか?どのような指示を出されましたか?だそうです」
監督「あれはね〜撮るのが難しくて、確か片手でやってたのかな?なかなか締めてるように見えなくて、もう少しもう少し…!ってやったら二階堂さんが柔道で言う"落ち"ちゃって、一回失神しちゃったんですよ。あちゃ〜ってなってすぐ、僕も柔道やってたので喝を入れたら意識が戻って、一回インターバルを挟もうと言ったんですけど、二階堂さんってとてもガッツのある方なので「やります!」って言われて。撮影の時に役柄もあんな感じだったので常に世界を呪ってるような、僕とは犬猿の仲でしたね。物凄く睨まれて…」
司会「二階堂さんは当時16歳でしたけど、監督は二階堂さんがこんな大女優さんになられるとオーディションの段階で思われましたか?」
監督「当時から只者ではないなと思っていましたけど、今みたいに朝ドラとかCMやバラエティみたいな爽やか系になるとは思っていませんでしたね」
司会者……質問上手いな?一問目にして欲しい情報全部引き出してくれるやん?
二問目。
司会「ここからはお越しいただいた皆さんから質問をいただこうと思います。質問ある方は挙手してください〜」
え、本当ですか?????(ソワソワ……)
Aさん「エンドロールで最後の生田斗真さんの表情が印象的だったんですが、続編は考えていらしたんですか?」
監督「実は考えてましたね」
我々「おぉぅ…………」
監督「例えば、鷲谷(松雪泰子さん)のお母さんが亡くなって、茶屋(江口洋介さん)が髭生やして落ちぶれて、鈴木(生田斗真さん)が東南アジアにいるぞってなって〜みたいな。東南アジアだったらもっと派手な爆破ができるかなとか考えてましたねぇ」
海外で派手に爆破させるシナリオが邦画あるあるで笑った。
三問目。
B「エンドロールにキング・クリムゾンの曲が使われていたんですが、あれは監督が決められたんですか?」
めっちゃエンドロールに食いつくやんみんな
監督「最終的に決定したのは僕です。でもあれはプロデューサーが最初に案を出して、僕的にはちょっとベタじゃないかな〜?とも思ったんですけどああなりましたね〜」
やっぱり最終的に決めるのは監督のお仕事なんですね…なるほど…ベタだと思ってたんだ?可愛い…
四問目。
C「最近ヒーローものなどを見る機会がありまして、今では爆破シーンはCGでも出来ますが、爆破の中から人が出てくるようなシーンだと実物の方がやっぱり迫力があるなと思ったりして、その点監督は実際の爆破にこだわっておられたように感じました」
ねえまさかそれ大怪獣の話かい?絶対そうだよね?って気を取られていたらこの方の質問どんな感じだったか忘れたんですけど、ニュアンスで書きます。
C「監督は今後どんな作品を作っていきたいですか?目指したいものなど考えておられますか?」
監督「深〜い人間ドラマをやっていきたいですね。人の表面的な部分じゃなくて。僕ももう55歳なんですが、そういう作品を作っていきたいと思います」
深い人間ドラマ………………わあ……………
楽しみにしてます………この辺からdeleの3話と4話が頭から離れなくなって心臓バクバクだった。そしてここで自分の質問をぶっ込んでもいける気がした。
五問目。
司会「次の方〜、あ、ではその方」
自分にマイクが回ってきた〜〜〜〜心臓出る
あん「監督の作品が好きでいくつか見させていただいているんですが脳男は実は初めてで…とても瀧本監督らしい作品だなと思いました」
ここで監督が笑ってくれてアッヤベッと思ったけど強行突破します。
あん「監督は映画のほかにドラマも監督をされていらっしゃいますが、映画とドラマで何か意識してることに違いはありますか?」
監督「意識ね〜、違いは正直ないです。でも映画だとお客さんがお金を払って観に来てくださるのに対して、テレビドラマは見てる環境が異なるじゃないですか。ドラマの場合は視聴者との距離が遠いので、何とか引き込めるようにとは思ってますね。技術的なことで言うと、映画は音にこだわってますかね」
あん「ありがとうございます…!!!!!」
めっちゃこっち見て真面目に話してくれる監督…えっ尊い…吐く…そうですよね。ドラマの方が視聴者を引き込むの大変ですよね。ドラマだからって映画とのスタンス変えないんだ……ここで既に成仏できたのに司会者からのまさかのキラーパス
司会「瀧本監督の作品をよく見られているということですが、具体的にどんな作品を見てるんですか?」
?????????????
わざわざ伏せたのに言わせます??????
あん「グラスホッパーとかイキガミとか…ドラマだとdeleを見てました…」
監督「deleね〜〜」
ああああああ……え?deleに食いつくんだ?
監督「あの〜deleは…あっ」
司会「どうぞ続けてください(ニコニコ)」
司会者〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!
できる司会者すぎて泣いてしまう。嘘だろ。ごめんね脳男のイベントなのに。でも言わせたのは司会者ですからね…(最低)
監督「deleは大変でしたね。連続ドラマなんですけど、同じ日に別の監督と撮影することがあって、別の監督の時間を削ってしまわないように凄く気を遣いました。連ドラは本当に大変」
めっちゃ大変やんかwww ありがとうございます…あなたのおかげで3話と4話が生まれましたよ…同じ日に別の監督と撮影ということは事務所のシーンなのかな?なんにせよこんな大雪の中辺境まで来てdeleの話をしてくれる監督……どうしよう。ありがとう。ごめんなさい。ありがとう。あとボソッと監督に「丁度世代ですよね」って言われた。まあそうです。イキガミは後から見たとして、グラスホッパーとdeleは世代です。監督がそう言うんなら。
六問目。
D「富山のロケーションはどうでしたか?」
ごめん、ちょっと記憶にないけど富山の印象を聞いてた気がします。
監督「富山は自然や風景に人の営みが隣り合わせでありますよね。リアルというか、生々しさがあって、観光地を使わず、真実味のある映像が撮れる」
なんかこんな感じだった気がする…単語は覚えてるけど文章で頭に入ってこなかった…反省。
司会「それではここでお時間となりましたので、ティーチインは終了させていただきます。皆さまこの悪天候の中脳男の上映に足を運んでいただきありがとうございました。また富山でロケをすることがあればエキストラ等での参加もぜひよろしくお願いします」
劇場出たら入口でスタッフと監督が「ありがとうございました」と客をお見送り状態で待っていてくれてて「こちらこそ本当にありがとうございました」という気持ちでいっぱい。司会者さんは別にアナウンサーというわけではなく本当に一般のおじさんという感じだったんだけど質問の掘り下げ方がプロで驚いた。めっちゃ良質なティーチインだった。
私情を挟むと、私はdeleを見たきっかけが瀧本監督が関わっているというのが理由の一つだったので、本当に緊張で吐くかと思った。deleのサイトを見て「瀧本監督も作るの!?そんなん好きじゃん」と思った頃が懐かしい。
あと脳男を見てグラスホッパーとdeleの面影を予想以上に楽しめたし、遠回しに大怪獣への煮詰まった感情が綺麗に浄化されたので良かった。初めてやらないよりやる後悔…!と思って質問した気がする。普段は質問する時に絶対挙手できないので……あの質問でよかったんか?と反省してるけど尊かったからいいや。おわり。